富山市新桜町、市役所のすぐそばに暖簾を掲げる手打ちうどんの老舗「鶴喜(つるき)」。屋号は、創業者が修業した滋賀・大津の老舗にちなんだものと伝わります。オフィスビルが並ぶまちなかで、銘木の柱と瓦屋根の佇まいは一軒だけ時間の流れが違うようです。
入口は老舗料亭のようで、初めてだと少し身構えるかもしれません。ただ、昼時にはスーツ姿の会社員から年配の常連、観光客までが次々と吸い込まれていく、誰でも入りやすい人気店です。今回は看板メニューの天ざるうどんをいただきました。

- 富山のまちなかで愛され続ける手打ちうどんの老舗——市役所そば、電気ビル前駅から徒歩3分
- もちもちとコシが同居する麺×濃いめのつゆ——看板は海老天2尾付きの「天ざるうどん」
- 営業は昼の2時間半だけ——12時前の到着が安心。相席になることも
| 住所 | 富山市新桜町6-2(地図を見る) |
|---|---|
| 電話番号 | 076-441-8496 |
| 営業時間 | 11:30〜14:00(L.O.13:30) |
| 定休日 | 日曜(月曜・祝日が休みとなる場合あり・要確認) |
| アクセス | 市電「電気ビル前」駅から徒歩約3分/富山駅から徒歩圏内 |
| 駐車場 | なし(近隣にコインパーキング多数) |
坪庭の緑と赤いもうせん——古き良き時代がそのまま残る店内

麻の暖簾をくぐると、まず目に入るのが手入れの行き届いた坪庭。まちなかの一等地にいることを忘れる静けさです。コンクリートの床に、時代を重ねた机とイス。決して新しくはないけれど、磨き込まれた清潔感がある。「古き良き」という言葉がそのまま当てはまる空間です。
昼のピーク時はほぼ満席で、一人で行くと相席になることもしばしば。それも含めてこの店の日常風景です。回転は速いので、行列ができていても見た目ほどは待ちません。確実に座りたいなら12時前の到着が安心です。
メニューはうどん一本勝負——迷ったら天ざる
メニューは冷たいうどんと温かいうどんのみという潔さ。ざる、釜あげ、月見、天ぷら——どれを選んでも主役は店主の手打ち麺です。一杯のボリュームはしっかりめで、男性でも満足できる量。常連には、温かいうどんに海老天を別添えで頼む人もいるようです。
もちもちとコシの両立、濃いめのつゆ——看板の「天ざるうどん」

注文したのは一番人気の天ざるうどん。つやつやと水気をまとった麺は、口に入れるとまずもちっと柔らかく、噛むとほどよいコシが返ってくる。讃岐の強い弾力とは別物の、独特の食感です。コシが強すぎないぶん、子どもや年配の方でも食べやすい。
つゆは出汁の効いた濃いめの味付け。みずみずしい麺をどぼんと浸すと、麺の淡い甘みをぐっと引き立てます。店内のあちこちから、うどんをすする気持ちのいい音が聞こえてくるのもこの店らしさです。
そして脇を固めるのが、ふわふわサクサクの衣をまとった海老天2尾。揚げたてを濃いめのつゆに浸して食べると、衣がつゆを吸ってまた違う表情になる。海老天を追加注文する人が多いというのも頷けます。
駐車場なし・昼のみ営業——訪問前に知っておきたいこと
注意点はふたつ。まず店舗専用の駐車場はありません。ただ、市役所周辺はコインパーキングの激戦区で、徒歩1分圏内に県営富山中央駐車場をはじめ選択肢は豊富。車でも困ることはないはずです。
もうひとつは、営業が昼の2時間半だけということ。夜営業はなく、ピークを外した13時台でも油断はできません。富山駅から徒歩圏内なので、観光や出張の合間に組み込むなら、昼の予定をこの店に合わせるくらいの気持ちでちょうどいいと思います。
富山市内のランチをもっと探している方は、地元民目線でまとめたこちらの記事も参考にしてみてください。
富山市のグルメ記事一覧を見る →まとめ:まちなかの「定番」には理由がある
奇をてらったところは何もない、うどんとつゆと天ぷらだけの店。それでも昼時には世代を問わず人が集まり続けている——その事実がこの店のすべてを物語っている気がします。富山のまちなかで昼にうどんと言えば、まず名前が挙がる一軒。久しぶりに訪れても、変わらない味と空気にほっとさせられました。

